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タイトル 年次大会市民公開行事「エネルギーの非化石化による自給率向上と温暖化対策」のご案内
配信日時 2017年07月20日 20時12分25秒
配信元 動力エネルギーシステム
本文 一般社団法人日本機械学会
動力エネルギーシステム部門
流体工学部門
熱工学部門
部門登録者各位

                 動力エネルギーシステム部門
                      部門長 岡本孝司

日本機械学会年次大会 市民公開行事
エネルギーの非化石化による自給率向上と温暖化対策
~自然変動電源の大量導入への挑戦と盲点~

企画
(一社)日本機械学会 動力エネルギーシステム部門 震災対応臨時委員会

開催日時 2017年9月3日(日)14:40~17:30
会  場 講演室43(教育学部A棟4階426室)

開催趣旨
 東日本大震災と福島第一原子力発電事故から6年余り経過し,エネルギーを取り巻く状況も大きく変動しています.固定価格買取制度の開始とともに太陽光・風力などの自然変動電源が急激に導入され,ダックカーブに代表される最低需要期のLFC容量確保やランプアップ対応など,既に問題が顕在化しています.電力システム改革の進行で電力市場での価格競争も足下で始まる中,マクロな視点では化石燃料に大きく依存して低迷するエネルギー自給率の向上と,温暖化対策としてパリ協定の確実な実施も求められ,これらに寄与する技術を総動員することが望まれます.動力エネルギーシステム部門に設置された震災対応臨時委員会では,この問題を「エネルギーの非化石化による自給率向上と温暖化対策」と捉え,中立的な立場でその課題・方策を議論すべく,市民公開行事を企画しました.一次エネルギーの非化石化には,再生可能エネルギーのさらなる大量導入が必要ですが,同時に調整力として既設の火力・水力の運用も大きく変化すると予測されています.また,自然変動電源の平準化には安価なエネルギーストレージなど,ゲームチェンジテクノロジーの登場も待たれます.一方,現存する原子力発電はコンベンショナルな大規模集中発電システムの中心でありましたが,新規制基準の下での再稼動と延命はまさに自給率向上と温暖化対策への量的寄与に合致するものです.本企画ではこれらに関する3名の専門家をお招きし,自然変動電源の大量導入への挑戦と盲点,さらにその中で原子力発電の果たすべき役割について共に考え,広く意見交換する場を提供したいと考えておりますので,皆様のご参加をお待ちしております.

プログラム 司会:中垣隆雄(早大)
14:40 趣旨説明 震災対応臨時委員会 委員長 小泉安郎(JAEA)
14:50~15:30
「自然変動電源の大量導入による揚水式水力等の設備運用への影響」
 講師 山本 博巳氏(電力中央研究所 エネルギーイノベーション創発センター 上席研究員)
講演概要
 長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)では2030年に太陽光64GW・風力10GWの自然変動電源の大量導入を見込んでいる.しかしながら,自然変動電源の出力変動に備え,十分な上げ代・下げ代および負荷周波数制御(LFC)能力など調整力を確保する必要がある.そのため、揚水発電の稼働率が上がる一方,火力発電に関しては十分な設備容量の確保が必要だが,休止時間や部分負荷運転が増える.前者は揚水運転による電力ロスの増加が,後者は火力発電の熱効率の悪化や設備利用率の低下が懸念される.本講演では,自然変動電源の大量導入時の揚水発電の精緻なモデル化と全国規模での試算結果について説明するとともに,自然変動電源の大量導入の問題点についても述べる.

15:30~16:10
「太陽光発電と水素燃料電池によるエコシステムの構築」
 講師 長谷川 卓也氏(日産自動車 総合研究所 主任研究員)
講演概要
 不安定な太陽光発電の平準化として,水電解を用いたオフグリッドの水素製造と,電気化学コンプレッサ・水素タンクによるエネルギーストレージ,および,燃料電池による熱電併給を組み合わせた小規模の技術を,劇的にコストダウンして提供するための発想の転換「二次元化生産技術」について紹介する.水素エネルギーの普及を供給ステーションとFCEVの鶏と卵の議論にすり替えることなく,エコシステムの構築によって黎明期を乗り越える社会実装の方法論についても言及する.

16:10~16:20(休憩)

16:20~17:00
「原子力発電のこれまでとこれから」
 講師 山口 彰氏(東京大学大学院工学系研究科 教授)
講演概要
 軽水炉,高速増殖炉,ガス炉など原子力発電のこれまでの技術史を総論として振り返った上で,福島第一原発の事故を教訓とした新規制基準策定などの最近の動向についても論じる.電力システム改革の下で分散化が進む現状で,自給率向上や温暖化対策などの観点から原子力発電の競合性を考察するとともに,原子力技術をどのように活用されていくか、原子力発電の今後の役割について論じる.

17:00~17:30
 総合討論 モデレータ 小泉安郎(JAEA)

参加費 無料
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